有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)経済環境の変化について

 当社グループの主力事業であるファイナンス事業、故障保証事業及びオートモビリティサービス事業は、経済環境の変化や税制改正、雇用情勢の悪化等が発生すると、個人消費が減退し、ファイナンス事業においては取扱高の減少や債権回収状況への悪影響の発生、故障保証事業においては取扱高の減少、オートモビリティサービス事業においては各種商品の売上減少が発生する可能性があります。また、物価高による消費抑制や能登半島地震、自動車認証不正問題の影響については、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響は限定的と見込んでおります。

 

(2)大規模災害等について

 当社グループは、大規模災害や感染症の拡大等が発生した場合に、重要な事業を継続し顧客及び社会に対する責務を最大限円滑に遂行するため、事業継続体制に関連する規程及び事業継続計画(BCP)を制定し、教育・訓練を実施しております。但し、予想を超えた事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)システムリスクについて

 当社グループは、クレジット基幹システムやWeb受付システム、自動審査システム、債権管理システム、故障保証管理システム、モビリティプラットフォーム等のコンピューターシステムや通信ネットワーク、クラウドサービスを使用し、クレジットや故障保証の申込み時に徴収する個人属性情報やクレジット審査に必要な個人信用情報等、重要かつ大量の情報を処理しております。このため、日頃からサーバやネットワーク等のシステムセキュリティの強化及びシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、不測の事態に備え、システムの冗長化、データセンターの二重化や通信ネットワークの複数キャリアの利用等の対策を講じておりますが、自然災害や事故、サイバー攻撃等によるコンピューターシステムの停止や通信ネットワークの切断、不備による誤動作、不正使用、不正アクセス、コンピューターウイルス等に起因して当社グループの業務に支障が生じた場合、また、システム開発計画を大幅に見直した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)法的規制等について

 当社グループの事業は、「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」及び関連する各種法令による規制を受けております。クレジット事業は、「割賦販売法」により「個別信用購入あっせん業者」の事業登録を必要とする事業とされており、同法に基づき業者登録を行い、3年ごとに当該登録の更新を行っております。また、整備事業、オートリース事業並びにオートモビリティサービス分野の一部事業において、「古物営業法」により古物商許可が必要とされるため、同法に基づき許可を受けております。さらに、整備事業における自動車の分解整備について「道路運送車両法」により自動車分解整備事業の認証が必要とされており、同法に基づき認証を受け、認証工場を営んでおります。
 当社グループは「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」、また当然ながら「個人情報保護法」や「景品表示法」「債権管理回収業に関する特別措置法」等の法令等を遵守して業務を遂行しており、現時点において当該許認可等が取消となる事由に抵触する事象は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により当該許認可等が取消され又は更新が認められない場合、将来における法律、規則、政策、実務慣行等の変更が発生した場合、遵法コストが増加した場合、上記法令の他「消費者契約法」、「特定商取引法」等に定める契約の取消、無効事由に該当した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 また、新たな会計基準や税制の導入・変更が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 なお、当連結会計年度末現在における当社グループの主な許認可等取得状況は、以下のとおりです。

(5)資金調達リスクについて

 当社グループの主な資金調達方法は、銀行借入、提携ローン、金融債権の流動化等です。銀行借入では、コミットメントライン等による流動性の確保を通じて資金調達リスクを低減しておりますが、財務制限条項を含むものがあり、当社グループの業績低迷により、資金調達が継続できなくなるリスクがあります。また、コーポレート・ガバナンスの不徹底等に起因する信用力の低下や、金融市場の混乱等により資金調達環境が悪化した場合、新規の資金調達が制限されるリスクがあります。これらの改善がなされない場合には、当社グループの事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)金利の変動について
 当社グループでは資金調達の一部は変動金利による借入となっているため、金融情勢の変化によっては想定外の調達コストの変動が生じ、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、すでに契約済みのオートローンの調達金利については、固定金利のため金利変動による影響はありません。今後生じる新規のオートローンについては、金利変動の影響を受ける可能性があります。

 

(7)コンプライアンスについて

 当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題の一つと位置づけ、コンプライアンス規程を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、行動規範に基づいた自発的な行動を促すため各種研修を実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス違反による重大な不祥事等、コンプライアンス上の問題が発生した場合、監督官庁等からの処分や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)個人情報について

 当社グループでは、事業の性格上、個人信用情報を中心とした大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。このため当社の主要な子会社であるプレミア株式会社及びプレミアワランティサービス株式会社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会によりプライバシーマークの認定(プレミア株式会社、登録番号10670054(06)(更新日2023年9月4日)、及びプレミアワランティサービス株式会社、登録番号17001612(06)(更新日2023年7月30日))を受けております。また、当社グループは、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」等を定め、各社・各部門で取り扱う個人情報を特定し、取得や利用、保管する時のリスクを明らかにした上で、そのリスクを軽減する策を決定し、漏えい等の事故を防ぐ体制を構築しております。その他にもネットワークセキュリティの強化、個人情報を取り扱う委託先の確認及び評価、従業員教育、プライバシーマーク内部監査員として認定された当社社員による監査の実施等により、実効性の確保に努めております。但し、当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を与える可能性があるほか、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)人財について

 当社グループは、人財育成をミッションの一つとして掲げているように、人財こそが競争力の源泉であり、当社グループの最大の強みであるという認識を持っております。そのため、有能な人財の採用、教育研修、人事考課に至るまで情熱を注ぎ、強い組織力を維持することに尽力しております。但し、当社グループが有能な人財の採用及び雇用の維持、人財の教育ができなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)市場の競争激化について
 当社を取り巻く中古車販売市場の売上動向は、中古車の在庫不足に伴う車両価格高騰の鎮静化や自動車業界の不正発覚及び出荷停止等の影響の収束により、2024年3月期通期では回復傾向が見られます。今後、中古車販売台数の低迷により、ファイナンス事業及び故障保証事業のマーケットにおける競争が今後激しくなり、収益率の低下やシェアの低下等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11)風評について

 当社グループの風評は、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの良好な信頼関係の構築・維持に重要であります。法令違反、従業員の不正行為、システム障害等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを回避することができず、又は適切な対処が行えなかった場合、当社グループは、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの信頼関係を失うこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12)のれん及び無形資産について

 当社は、2015年6月19日にプレミア株式会社のすべての株式を取得した時点でのれん及び無形資産を計上しており、当該資産が当社の同項目のうち大きな部分を占めております。当該資産については、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、将来の収益性が低下した場合には減損損失を計上する可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しており、当該のれん及び無形資産の一部は非償却資産であるため、毎期の定期的な償却は発生しません。参考情報として、当連結会計年度末で3,958百万円ののれん及び4,581百万円の非償却の無形資産を計上しており、取得日以降の償却をしておりません。当該資産について減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13)信用リスクについて

 当社グループでは割賦売掛金や未収金の貸倒損失に備えるため、(14)に記載の取引信用保険等を締結することで貸倒リスクをヘッジしております。なお、2019年3月期からIFRS第9号「金融商品」が適用されたことにより、償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。但し、景気の動向、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由等により、保険料の増加及び貸倒引当金の増加の可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14)信用保険契約について

 当社グループは、クレジット事業及びオートリース事業における貸倒リスクをヘッジするため、複数の損害保険会社と取引信用保険及び保証機関型信用保険を締結しております。当該信用保険契約に定められている保険金の支払限度額を超過する貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、貸倒損失の増加による保険料の増加、保険業法の改正及び損害保険会社のスタンス変化等により信用保険契約が継続できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15)修理原価について

 当社グループが営む故障保証事業においては、保証サービスの提供をご希望されるお客様に一定のお支払いをいただくことで、購入された自動車に故障が発生した際、あらかじめ定めた保証の提供範囲内において、無償で修理対応をしております。このため、高価格帯の車両故障の増加や車両部品の高騰等を原因として、修理原価が事前の想定より著しく増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(16)新規事業について

 当社グループは、既存の主要事業であるファイナンス事業、故障保証事業に次ぐ新しい収益の柱としてオートモビリティサービス事業の拡大・伸長を積極的に推進しております。同事業が当初予定していた事業計画を達成できず、十分な収益を将来において計上できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(17)海外事業について

 当社グループは、タイ王国におけるオートファイナンス事業、故障保証事業及び自動車整備事業やインドネシア共和国及びフィリピン共和国における故障保証事業及び故障保証に関連するコンサルティング事業等を展開しております。今後その他の国・地域に事業を展開する可能性がありますが、海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しております。これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 ①予期しえない租税制度の変更や外国資本に対する規制等の法律・規制の設定又は改廃
 ②予期しえない経済的又は政治的事件の発生
 ③予期しえないテロ・紛争・伝染病等による社会的混乱等
 ④予期しえない労働環境の急激な変化
 ⑤社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響